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なぜ、うちの会社は選ばれないのか? ~ 採用活動の「一貫性」という本質 ~

 
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はじめに ~採用難はなくならない~

 

人材採用で、最近こんなことを思ったことはありませんか?

 

「なぜ応募者がまったく集まらないんだろう?」

「なぜ面接をドタキャンするのだろう?」

「なぜ内定を辞退されるのだろう?」

 

結局は、「なぜうちは選ばれないのだろう?」という言葉に集約されます。

 

一方で、こうした採用難の中でも、無名の中小企業なのに人材に選ばれ、採用に成功している企業があります。

 

全体からするともちろん少ないのですが、それでも一定割合の中小企業が採用で成功しているのです。

 

これらの中小企業に共通しているのは、事業が順調で経営が安定していたり、社員を大切に思い福利厚生を充実させていたりなど、その会社の「らしさ」が学校関係者や応募者に一貫して伝わっている会社なのです。

 

応募者は、採用ナビ、ホームページ、説明会、面接などで得られる情報や印象に一貫性がないと、違和感(不信感)を抱き、応募をしない、途中で離脱するということになります。

 

自社の「らしさ」をブランディング理論に基づいて一貫性を持って伝えることによって、実際の採用に結びつける採用手法が、「採用ブランディング」です。

 

本記事では、この「採用ブランディング」を書籍ではじめて世に打ち出した、むすび株式会社の深澤氏から体系的にお聞きした内容をお伝えし、自社にとって必要な人材を継続的に採用できる本質的な採用手法について知っていただければと思います。

 

本質的な採用力を生むのは「一貫性」

 

ここで採用ブランディングを定義しておきましょう。

 

採用ブランディングとは、「自社の理念と強みを統合した採用コンセプトを明確にし、そのコンセプトを採用プロセス全体をとおして一貫して伝えることで、応募者との信頼関係を築き、採用に導く体系的な採用手法」です。

 

どの会社にも「らしさ」があり、その「らしさ」はその会社の理念とその理念に基づく強みから生まれます。

 

この理念と強みにもとづいた採用コンセプトを採用活動のプロセスで一貫して伝えることができると、応募者はその会社を信頼するようになり、ファンになり、入社する確率が高まるわけです。

 

まさにお客様に信頼していただき、ファン化していく企業ブランディングと同じですよね。

 

人は「その人らしさ」や「その会社らしさ」に惹かれます。

 

先の衆議院選挙の結果も、政党の陣容はほぼ何も変わっていないのに、そのリーダーの「らしさ」に多くの人が惹かれた結果としか考えられません。

 

そして、ディズニーランド、アップル、スターバックスなど、どの企業の製品やサービスにも「らしさ」がにじみ出ていて、ファンがいます。

 

ここに日本の会社が出てこないのは大変残念ですが、たぶん日本の会社は自分たちの「らしさ」を表現するのが不得意なのだと思います。

 

だからこそ、事業にも採用にもブランディングが必要だと思います。

 

理念と強みは事業を続けている限り、潜在的にはどんな会社にもあり、その理念を言語化し、強みを整理することが重要です。

 

その理念と強みにもとづく採用コンセプトを明確にして、それを応募者に一貫性を持って伝えるのが「採用ブランディング」です。

 

そしてこの採用ブランディングによって応募者がファン化し、他社の選考を蹴ってでも入社してくるということが、どんな会社でも起こりえるのです。

 

ただし、採用ブランディングという体系的で本質的な採用手法を愚直に実践できればです。

 

採用ブランディングの具体的な取り組み方

 

それでは採用ブランディングを実現するには、具体的にどんなことに取り組んだらよいのでしょうか。

 

本質的な採用力を得るには一貫性が大事だとお伝えしましたが、採用プロセス全体を貫く一貫性を生み出すのが「採用コンセプト」です。

 

採用コンセプトとは、自社の理念と強みから生まれる「自社らしさ」を言語化したものです。

 

これはある地方のホテルチェーンが、採用ブランディングにもとづいて言語化した「採用コンセプト」です。

 

福山は世界だ

福山で生きる。福山で挑戦することが、世界に通じている。

私たちは、そう信じています。

熱意と実力があれば、年齢や性別は関係ない。

ホテルマンとして、将来のホテル経営者として、

やりたいことに、どんどん挑戦できる環境がある。

お客様の喜びを自分の喜びと感じることのできる仲間を求めています。

創業100年の長い歴史の中で培ってきたおもてなしの心を大切に

国内店舗の拡大に加え、海外展開にも踏み出しました。

福山だから、世界に近い。福山だから、チャレンジできる。

 

スローガンである「福山は世界だ」とそのボディーで構成されていて、挑戦できる環境、おもてなしの心、海外展開などこの会社の理念と強みにもとづいて一つのコンセプトに磨き上げられています。

 

このような採用コンセプトを明確にするのが第1ステージ、そしてその採用コンセプトに基づいて一貫した採用活動を実行するのが第2ステージと考えてよいと思います。

 

それぞれのステージで取り組む内容について具体的にお伝えしたいと思います。

 

第1ステージ:採用コンセプトを言語化する

 

まず、採用ブランディングを推進するプロジェクトチームのメンバーを全社横断で選出します。

 

採用活動は企業の命運を握る、全社員に関係する全社運動、総力戦であることをしっかり社内に認知してもらうことが重要です。

 

そのためには、この採用ブランディングに対する企業のトップである社長のコミットメントが極めて重要です。

 

自社の理念や強みをもっともよく知っていて、もっとも説得力を持って伝えることができ、それを全社に徹底できるのはその会社の社長です。

 

採用ブランディングの成否を決めるのは、社長のコミットメントの度合いによると言っても過言ではありません。

 

そして次に、このプロジェクトメンバーで自社の強みを洗い出します。

 

とにかくこの強みは、考えられるどんなささいなことでもすべて書き出すと、どんな会社でも15~20のグループに集約できます。

 

この時、自社には強みなんかないと思っていた経営者やメンバーの意識が自信に変わります。

 

そして、この自社の強みも踏まえた上で、具体的な採用基準を明確にします。

 

採用基準は、例えば「向上心」「コミュニケーション」「マナー」「健康」「理念共感」などについてジャッジできるように具体的に表現します。

 

採用基準が決まったら、採用基準を満たす自社が欲しい「超理想のペルソナ」を描きます。

 

「超理想のペルソナ」は、採用基準を満たしていることを前提に、「性別、年齢、高校、大学、学部、専攻、サークル、アルバイト、趣味、夢、よくいく場所、好きな本、受けている企業、似ている芸能人」のような細かいところまで描きます。

 

この「超理想のペルソナ」を明確にすることが、「採用コンセプト」を明確にする上での起点になります。

 

「超理想のペルソナ」を具体的に描けたら、ペルソナが就職活動、転職活動において大事にしていること、本人すら気づいていないような潜在的なニーズである「インサイト」を考え抜き、出てきたインサイトの上位の2つか3つに絞ります。

 

たとえば、「グローバルに働ける」「自分の意見を取り入れてくれる」「尊敬できる上司がいる」などです。

 

そして、この自社にとっての「超理想のペルソナ」のインサイトを満たす、自社の強みを3つに絞ります。

 

この絞った3つの強みをもとに、先ほど例示したような「採用コンセプト」を描きます。

 

「採用コンセプト」の内容はもちろんプロジェクトメンバーで考えるのですが、最終的なコピーライティングは、むすび株式会社のようなプロに任せた方がよいと思います。

 

この「採用コンセプト」の決定までが、採用ブランディングの第1ステージです。

 

第2ステージ:採用コンセプトで採用プロセスに一貫性を持たせる

 

前にもふれたように、人は「らしさ(一貫性)」に惹かれます。

 

したがって、応募者を惹きつけ、ファンにし、入社まで導くには、採用活動に一貫性を持たせる必要があります。

 

そして、「採用コンセプト」にもとづいて採用活動のあらゆる局面に一貫性を持たせることが、本質的で強い採用力を生み出します。

 

採用活動のプロセスには、インターンシップ、ナビ媒体、ホームページ、イベント、説明会、パンフレット、面談・面接、内定者フォローなど応募者と接触する様々な局面があります。

 

この様々な局面で、採用コンセプトで謳っていることが一貫して伝わるようにデザインしていきます。

 

もし採用コンセプトで、自社のイノベーティブさを強調しているのであれば、他社とはちょっと違ったインターンシップ、説明会、面接、内定者フォローなどに知恵を絞ります。

 

インターンシップで自由にプログラミングに取り組んでもらったり、説明会に新しい製品やサービスを考えてもらうグループワーク組み込んだり、面接では自らのアイデアで行動した経験を質問したり、内定者フォローでは内定者に自社を学生に効果的に伝える説明会を企画してもらったりなど、採用プロセスで自社の「らしさ」を体現する工夫が必要です。

 

「この会社は本当に新しいアイデアを社員に求めていて、耳を傾けようとしているんだな」ということが腑に落ちていきます。

 

こうなると、大手の内定を蹴ってでもこの会社に入社しようという応募者が現れるようになります。

 

これが「採用ブランディング」の真価で、愚直に一貫性を生み出そうとする取り組みから本質的で強い採用力が生まれます。

 

はっきり言って面倒くさい採用手法であることは確かです。

 

ただ、これくらいの取り組みをしないと、現在の採用市場で再現性高く勝利することはできないと思います。

 

ナビに出稿して必要な人材を採用できるのは、超大手の優良企業だけでしょう。

 

そして、どんな企業にも「理念」と「強み」がありますから、採用ブランディングにしっかり取り組めば、再現性の高い本質的で強い採用力を獲得できます。

 

採用力をV字回復した企業事例

 

それでは、採用ブランディングに取り組み、採用力を高めた企業事例をご紹介します。

 

採用ブランディングの実施前と実施後の状況を簡潔に見てみましょう。

 

地方鉄鋼メーカ―(長岡、従業員30名)

 

(Before)

仕事はあるが、中途採用ができなくて困っている。

 

(After)

6ヶ月で15名採用に成功。
媒体は、ハローワーク、ポリテクセンターのみ。

 

外食チェーン(ラーメン)

 

(Before)

2014、2015年、新卒採用に年3000万円をかけたが採用ゼロ。

 

(After)

1ヶ月で中途採用で3名採用。

新卒採用(2017採用)は高卒含め15名採用。

大卒は立命館大学(野村證券を辞退)・慶応理工学部・琉球大学・日大など。

中途採用では大きな飲食店で店長・マネージャー経験がある、自分の手で海外店舗を出すような仕事がしたい人がターゲットでそのとおりの人材が採用できた。

 

地方のホテルチェーン(福山)

 

(Before)

全国転勤が嫌がられ、年に数名しか採用できなかった。

 

(After)

2019卒:33名内定出し/  8名内定承諾

2020卒:41名内定出し/11名内定承諾

2021卒:コロナ禍で途中で終了

2022卒:新卒採用せず

2023卒:新卒採用せず

2024卒:新卒採用せず

2025卒:15名内定出し、8名内定承諾

一気に採用レベルが上り、旧帝国大学、難関私立、海外の大学からの志望者が増える。

 

物流会社(埼玉、従業員50名)

 

(Before)

中途、新卒ともに、思うような人が採用できない(質も人数も)。

 

(After)

新卒4名、中途5人採用。

自社にマッチする人材を採用できるようになった。

 

部品メーカー(秩父)

 

(Before)

大学研究室とのコネクションで年に2~3名採用していたが、人材の質にやや難があった。

 

(After)

新卒5名採用、人材の質が格段に上がった。

 

福祉法人(岡山、施設数30箇所)

 

(Before)

採用ができない、採用してもすぐに辞める。

 

(After)

半年後から結果が出始め、1年後には中途15名採用(パート含む)。

約7割がハローワーク、職業訓練校経由、あとは新聞折込とリファラル。

 

老舗温泉旅館(長野、従業員30名)

 

(Before)

新卒にこだわり採用したいが、採用できない。

 

(After)

25年卒は4名採用。

26年卒はすでに3名内定承諾(2025年3月時点)。

 

当たり前の取り組みを、順番どうりに当たり前に実行し、採用プロセスに一貫性を生み出せたことが、これらの企業が採用で劇的な変化を実現できた理由です。

 

ただ人間は、自分たちだけで当たり前のことを当たり前に実行していくことはなかなかできないので、伴走してくれる外部の支援者の支援を受けることも検討してみてください。

 

まとめ

 

採用ブランディングは、魔法の手法ではありません。

 

ですが、自社の理念と強みを正しく整理し、一貫して伝えることができれば、中小企業でも「自社に必要な人材を採用できる状態」をつくることは可能です。

 

もし、

 

  • 自社の「らしさ」をどう言語化したらいいのかわからない
  • 採用活動に一貫性があるか自信がない
  • 本気で採用を立て直したい

 

そう感じているなら、一度お話ししてみませんか。

 

採用の問題は、テクニックの問題ではなく、「自社をどう定義し、どう一貫して伝えるか」という経営の問題です。

 

自社に必要な人材を採用できる状態を一緒につくっていきましょう。

 

当社では、それぞれの企業の人材や組織に関わる課題解決の方向性を整理する個別相談を行っています。

こんな課題があるんだけど、何から手をつけたらよいかわからないというような場合は、一緒に課題を整理して最重要課題を見つけ、どのような解決策をどんな順番で取り組んだらよいかを見出すサービスです。

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