受付時間:月~金9:00~18:00

人材が魅力を感じ、長く働きたいと思う「本当にいい会社」になるには?

 
この記事を書いている人 - WRITER -

採用力を高めるためには、「本当にいい会社」になる継続的な取り組みも必要

 

人材紹介などの人材ビジネスや主に採用媒体を扱っている広告会社の方などと話していると人材採用がだんだんと難しくなっていることを強く感じます。

 

複数の大手ゼネコンも昨年までは何とか新卒を採用できていたけれども、今年は全く採用できていないなどのうわさも聞こえてきます。

 

弊社も昨年度(2022年4月~2023年3月)に87社の企業に経営課題全般についてインタビューを行いましたが、その60%強が人材確保に課題を感じていました。

 

仕事の依頼はたくさんあり、売上を拡大しようと思えば拡大できるのに人材を増員できないため事業機会を失っている、欠員が生じているが人材が思うように補充できないので仕事がうまく回らないなどの声が多く聞かれます。

 

採用が難しくなっている原因としては、生産労働人口の減少という大きなトレンドに加えて、売り手市場による転職のしやすさ、人気業種の大手企業による人材の囲い込み、起業やフリーランスを志向する人材の増加、賃金の高い海外で働こうと考える若者の増加などが拍車をかけていると考えられます。

 

ほんの一部の人気業種の大手企業以外には人材が回ってこないという傾向は、今後ますます強まっていくかもしれません。

 

必要な人材を確保し、その人材が長く働いてくれなければ、事業を縮小していかざるを得ない、最悪の場合には廃業せざるを得ないという状況も現実的になってきています。

 

ではどうしたらよいかというのが今回のテーマです。

 

採用方法や採用媒体に載せる掲載内容の質を上げて応募者を増やしていくなどの直接的な採用力の強化に取り組むことはもちろん重要ですが、今後継続的に必要な人材を採用していくためには、この会社は「本当にいい会社」だと求職者に認知される必要があります。

 

この会社は「本当にいい会社だ」という信頼(ブランド)を築くためには、当然そうした打ち出し方を継続的に行っていく必要がある訳ですが、実態が無ければいつかそのブランドはメッキが剝がれてしまいます。

 

したがって、本当の意味で「この会社はいい会社だ」というブランドを確立し、継続的に人材を確保するためには、実態としても人材が魅力を感じ、長く働きたいを思う「本当にいい会社」になる努力を継続的に続けていく必要があるということです。

 

これは、採用力を強化するために「本当にいい会社」をつくりましょうということではなく、「本当にいい会社」をつくろうとする本来やるべき取り組みを続けていくことで、多くの人に信頼される会社になり、結果として採用力を強化できるということです。

 

そこで今回は、

  • 人材が魅力を感じ、長く働きたいと思う「本当にいい会社」とはどのような会社か
  • 人材が魅力を感じ、長く働きたいと思う「本当にいい会社」になるためには何が重要なのか

を中心に考えていきたいと思います。

 

人材が魅力を感じ、長く働きたいと思う「本当にいい会社」とはどのような会社か

 

皆さんは、どんな会社だったら「あっ、この会社で働いてみたい!」と思うでしょうか?

 

一言で言うと、「志が高く、ここで働けば自分も成長できる!」と思えるような会社ではないかと思います。

 

なぜ、志が高く、自分も成長できると思える会社だと「ここで働いてみたい!」と思うかというと、そうした会社は人間が生きる上での本質的な欲求を満たしてくれる可能性が高いからです。

 

それでは人間が生きる上での本質的な欲求とはそもそも何かということですが、これについてはもちろん様々な考え方があると思いますが、マズローをはじめとする心理学者の考え方などを統合すると、人間共通の生きる上での本質的な欲求は、3つあると考えられます。

 

1つ目は、信頼できる仲間と一緒にいて、認められたい(人から愛されたい)という欲求です。

 

2つ目は、自分らしく成長したい(自分自身を愛したい)という欲求です。

 

3つめは、人の役に立ちたい(人を愛したい)という欲求です。

 

もちろん、安心して快適に暮らしたいとか権力のような力が欲しいなどの欲求もあると思いますが、本人が意識しているか否かにかかわらず、人間には最終的には上記の3つの本質的な欲求があると考えています。

 

ですから、この3つの本質的な欲求を満たしてくれる、あるいは仕事を通して満たせる会社があれば、多くの人がそのような会社に魅力を感じ、長く働きたいと思うと思います。

 

人に愛されたい、自分を愛したい、人を愛したいという欲求を会社が叶えてあげる必要があるのかと思うかもしれませんが、よく考えると企業が究極的に目指していることとも重なるはずです。

 

企業はそもそも人や社会の役に立つことで事業を営んでいけるわけですから、人の役に立ちたいという欲求が本来あるはずです。

 

また、人や社会の役に立つためには、企業として常に自己変革を続け、成長していく必要があります。

 

そして、実際に人や社会が求めている価値を提供し、最終的にはお客様や世の中の人々に愛され、永続していきたいと願っているはずです。

 

要するに、人間の本質的欲求と企業の本質的な欲求はほぼ同じということになります。

 

だとすれば、企業が人や社会に役に立つために、本当に人々が求めているより質の高い価値(製品やサービス)を提供する、そしてそのために自分の会社を常に変革し成長させるように努力していれば、結果として人々に愛され、永続する会社になると思います。

 

そして、社員もその会社の姿勢に共感し、会社の方針に沿って働けば、3つの本質的な欲求を満たすことができるようになるはずです。

 

ですから、人材が魅力を感じ、長く働きたいと思う「本当にいい会社」とは、企業自身が3つの本質的な欲求を満たそうと努力する中で、同時に社員にも3つの本質的な欲求を満たしてあげることができる企業ということになります。

 

人材が魅力を感じ、長く働きたいと思う「本当にいい会社」になる3つのポイント

 

それでは、3つの本質的な欲求を満たし、人材が魅力を感じ、長く働きたいと思う「本当いい会社」になるために企業が取り組むべき重要なことは何なのでしょうか?

 

前項の冒頭で、「あっ、この会社で働いてみたい!」と思う会社は、「志が高く、ここで働くと自分も成長できる!」と思える会社ではないかとお伝えしましたが、そこにヒントがあります。

 

一貫性のある経営方針の明確化

 

「本当にいい会社」になるために重要なことの1つ目は、会社がどのように人や社会の役に立とうとしているのか一貫性のある経営方針を、社内に対しても社外に対しても明確に示すことです。

 

一貫性のある経営方針の内容は、主に

  • 企業理念
  • 企業理念に基づく共通のビジョン(実現したい社会や会社の理想の姿)
  • ビジョンを実現するための道筋(経営戦略)
  • 経営戦略を実現するための組織目標

で構成されます。

 

この一貫性のある経営方針が明示されれば、自分がこの会社で働くことによって、最終的にはどのように人や社会の役に立つことができるのかをイメージできるようになるので、社員は仕事をする意味や意義を理解し、やりがいを感じながら仕事をすることができるようになります。

 

信じて任せるマネジメントの実現

 

「本当にいい会社」になるために重要なことの2つ目は、社員が仕事を通して主体的に成長していけるように、「信じて任せるマネジメント」を実現することです。

 

人は、仕事を任されて、自分で試行錯誤しながらその仕事をやり遂げるということを繰り返すことによって成長していきます。

 

では、社員に仕事を任せっぱなしにすればよいかというともちろんそうではありません。

 

過保護でもなく、ほったらかしでもない、成長を後押しするような仕事の任せ方が重要です。子育てと同じかもしれませんね。

 

「成長を後押しするマネジメント」を実現するためには、いくつかのポイントがあります。

 

  1. 会社が目指す方向と社員が目指す方向が一致する個人目標を設定し、社員と上司で共有する
  2. 社員が主体的に判断できるように経営情報も含めてできるだけ情報をオープンにする
  3. 重要な仕事については、その目的と達成状況(ゴール)を社員と上司でしっかり共有する
  4. 目的とゴールを共有したら、仕事のやり方は社員に任せる
  5. 社員が自分の仕事ぶりを振り返ることができるように、社員と上司の間での定期的な面談の場を設ける
  6. 上司は社員を見守る、励ます、応援する、感謝する

 

過保護でもなく、ほったらかすのでもなく、つかず離れず社員が目指す方向を明確にすることや情報を得ることを上司がサポートし、仕事の目的とゴールを合意したらやり方は社員にまかせ、一緒に振り返る機会を持つというという、さじ加減がむずかしいところがありますが、上司にとっても社員にとっても変なストレスが無く、社員の主体的な判断・行動・振り返りという試行錯誤を促すことができ、成長につながるマネジメントです。

 

難易度は低くないマネジメントですが、こうしたマネジメントを実現しようとすることがとても重要です。

 

安心できる組織文化の醸成

 

社員が①の一貫性のある経営方針に基づいて意味ある仕事にコミットしていく、②の自分で判断し、行動し、振り返り自己成長につなげるという、前向きで主体的な姿勢を引き出すためには、土台として安心できる組織文化が必要です。

 

人は安心できる状態でないと、創造的・積極的に行動することができません。

 

ですから、グーグルは業績の高いチームにもっとも必要なのは「心理的安全性」と結論付けています。

 

この「心理的安全性」とは、安心して発言できる信頼で結ばれた人間関係(職場)と言っても良いと思います。

 

こうした職場をつくるために最も影響を与えるのが、経営者や上司の考え方や振る舞いです。

 

これはダイバーシティーとも密接にかかわってきますが、経営者や上司は社員に対して下記のような考え方、姿勢で接することが心理的な安全性を生み出すために重要です。

 

  • 社員を人としてその存在を無条件に認める
  • 発言しやすい雰囲気や発言ができる機会をつくる
  • 社員の意見や発言を、思い込みや固定観念にとらわれずに真摯に傾聴する
  • 社員が大切に思っていることを尊重する

 

そして、安心できる組織文化をつくるためには、雇用や業界水準の給与を保障してあげる経済的安全性も重要ですし、安全にまた健康に働ける身体的安全性を生み出していくことも重要です。

 

人は安心できる人間関係や職場環境の中で、より創造性や主体性を発揮することができます。

 

この一貫性のある経営方針の明確化、信じて任せるマネジメント、安心できる組織文化を順番に少し時間をかけて実現していけば、人間の3つの本質的な欲求(人の役立ちたい、自分らしく成長したい、信頼できる仲間と一緒にいて認められたい)を満たすことができ、人材が魅力を感じ、長く働きたいと思う「本当にいい会社」になるはずです。

 

そしてこのように社員の3つの本質的な欲求を満たす経営が実現できれば、会社はより創造性と生産性を高めることができ、より質の高い価値(製品やサービス)を提供できるようになり、人々からますます愛され、永続していくことになると思います。

 

「本当にいい会社」をつくろうとすることは、社員にとっても、会社にとっても、世の中の人々にとっても良いことだと思います。

 

まさに三方芳しですね。

 

まとめ

 

今多くの企業の最大の経営課題は、人材の確保と定着率のアップです。

 

そんな中で採用力を技術的に強化していくことはとても大事なことですが、「本当にいい会社」になるための経営を実現することが、少し時間は必要ですが骨太の採用力を高めることにつながると思います。

 

やはり求職者は会社が本質的にいい会社なのかを嗅ぎ分ける嗅覚を持っていますし、入社すればいい会社かどうかはすぐにわかります。

 

人材が魅力を感じ、長く働きたいと思う「本当にいい会社」になるためのポイントは

  1. 一貫性のある経営方針の明確化
  2. 信じて任せるマネジメントの実現
  3. 安心できる組織文化の醸成

の3つです。

 

この3つのポイントを実現していく経営を弊社では「ビジョンデザイン経営」を呼んでいます。

 

3~5年後に実現したい具体的なわくわくするビジョンを軸に経営に一貫性を持たせ、社員と会社の3つの本質的な欲求を満たし、人と組織の創造性と生産性を高める経営です。

 

このビジョンデザイン経営を実現していくには少し時間がかかりますが、ある意味順番に当たり前のことを当たり前に取り組んでいけばよい経営でもあります。

 

関わるすべての人を幸せにする経営です。

 

ぜひ長期的な視点で、取り組んでみていただければと思います。

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です