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社員を最大限に活かし、ワクワクする事業を実現するための組織づくり

 
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はじめに

 

企業は、良い企業であればあるほど、永続し、成長・発展していくことを、お客様や世の中から、また社員や社員の家族からも期待されると思います。

 

そして多くの経営者の方々も、規模を拡大するかどうかは別として、自分の会社を永続し、成長・発展していく企業にしたいと思っているのではないかと思います。

 

それでは自分の会社を永続し、成長・発展する企業にするにはどうしたらいいのでしょうか?

 

そのためには、お客様や世の中から本当に求められる、他の企業とは異なる特徴を持った、できれば質の高い優れた商品やサービス(価値)を提供し続けることが重要だと思います。

 

お客様や世の中から本当に求められる、独自で質の高い優れた価値を提供できて、喜んでもらえたら、どんなにいいことでしょう。

 

でも、それがビジネスや事業の本来の姿ですよね。

 

今後大量生産でそこそこの価値を生み出し、大量消費するというビジネスモデルは影を潜めていき、企業の想いのこもった質の高い製品やサービスを、顧客がしっかりと吟味しながら購入するという傾向がますます強まっていくのではないかと思います。

 

企業が永続し、成長・発展していくには、独自で質の高い優れた価値を提供し続ける必要があるわけですが、そのためには社員全員が優れた価値を提供し続けることに対する意欲を高め、社内の智恵を最大限に活用しながら、効果的なチームワークを発揮することが求められます。

 

つまり、優れた価値を提供し続けるというワクワクする事業を展開していくためには、社員を最大限に活かし続けるということが何よりも重要なのです。

 

この全社員のモチベーションを高め、智恵とチームワークを最大限に引き出し、優れた価値を提供し続ける会社を実現する経営を「ビジョンデザイン経営」と呼んでいます。

 

今回は、この社員を最大限に活かし、優れた価値を提供し続けることができるようになる「ビジョンデザイン経営」の重要な視点、取り組むべき内容とその取り組み方などについて、お伝えしたいと思います。

 

社員の内側からのモチベーションを高め、持続する

 

社員のモチ―ベーション、智恵、チームワークを最大限に引き出し、お客様や世の中から求められる優れた価値を提供し続けるためには、次の2つのことが重要だと考えています。

 

1つは、社員のモチベーションを高め維持するため、社員がビジネスや仕事をすることをとおして、社員のみならず誰もが心の底から求めている、人間ならではの心理的な欲求を満たしてあげることです。

 

そしてもう1つは、社員の智恵を引き出し、有効なチームワークを発揮できるように、社員が会社が目指している共通の目的をよく理解し、自律的に考えて、行動できるような環境をしっかり整えてあげることです。

 

この2つのことを同時に実現するのが「ビジョンデザイン経営」です。

 

「ビジョンデザイン経営」の内容と実現の方法については後ほど詳しくお伝えしますが、まず社員のモチベーションを高めるために最も重要な、誰もが心の底から求めている、人間ならではの心理的な欲求についてお話ししたいと思います。

 

私たちは、この人間ならではの心理的な欲求を、下記の3つだと考えています。

 

  1. 誰かの役に立ち、喜んでもらえる存在になりたい
  2. 自分を最大限に活かして、成長していきたい
  3. 上記2つのことを自分自身でも、他者からも認められたい

 

この3つの欲求をまとめると、「自己実現欲求」と言ってよいと思います。

 

マズローの欲求階層説によれば、人間にはこの他に、生理的欲求、安全の欲求、所属の欲求など、人間以外の動物も持っている生存に関する欲求がありますが、これらの欲求はある程度満たされるとそれ以上は求めようとしなくなりますし、それらの欲求が満たされたとしても人間としての喜びを持続的に得ることはできません。

 

一方で、自己実現欲求は人間ならではの欲求ですし、人間が人間として深く求めている欲求ですので、その欲求を満たしたいという内側からのモチベーションが持続し、成功体験を積めば積むほどより高まっていくことになります。

 

この自己実現欲求は、「人の役に立ち、喜んでもらいたい」「自分らしく成長したい」「自分自身からも他者からも認められたい」という3つの欲求から成り立っていて、それぞれが関係しあっていますが、この3つの中のどれを特に満たしたいかは、人によって異なります。

 

人から評価されることに一番価値を置いている人もいますし、自分の有能さを発揮できたときに一番喜びを感じる人もいますし、誰かの役に立てそうだと思えた時に一番わくわくする人もいます。

 

ただ、どこを重視するかは別として、人はこの3つの欲求を根源的に求めていて、これらの欲求が満たされると人間としての喜びを強く感じることができるので、ビジネスや仕事をとおしてこの自己実現欲求を満たしてあげる経営を実現することができれば、社員の内側からのモチベーションを高め、持続させることができるようになります。

 

社員の智恵、チームワークを最大限引き出す

 

次に、社員の智恵、チームワークを最大限に引き出し、活かすためには、社員が会社が目指している共通の目的や目標をよく理解し、自律的に考えて、行動し、協力し合える環境を整えることが重要だとお伝えしました。

 

要するに、社員が会社の共通の目的の実現に向けて、自律的に働き、価値を生み出す環境を整えるわけですが、これは人事制度や教育制度などを単独で整えれば実現するというものではありません。

 

社員を活性化したいので人事制度を整備したいというご要望をいただくことがよくありますが、人事制度はあくまでもツールなので、人事制度を整えただけでは社員を活性化するという目的を達成ができないことがとても多いのです。

 

社員が会社の共通の目的の実現に向かって自律的に働けるようになるためには、会社や経営者は何をしたらよいかを周到に考えて、複数のことを統合的に整えていくことがとても重要です。

 

そして、社員が会社の共通の目的の実現に向かって自律的に働けるようになるようになるための重要な要素は、次の3つになります。

 

その要素の1つは、会社が目指していることとその実現方法を一貫性のある形でわかりやすく社員に提示してあげることです。

 

そしてもう1つの要素としては、社員にその会社が目指していることの実現に踏み出せるように、安心できる人間関係や労働条件を整えてあげることです。

 

また最後の要素としては、社員が自律的に判断し、行動できるように、必要な情報を提供し、仕事を任せて見守るという、リーダーがメンバーの成長と成功を後押しできるようになることです。

 

まとめると、社員にその知恵を最大限に活かし、効果的なチームワークを発揮してもらうためには、

  1. 一貫性のある目的・目標とその実現方法のわかりやすい提示
  2. 安心して踏み出せる職場環境の整備
  3. メンバーの成長と成功を適切に後押しできるリーダーの育成

の3つにバラバラではなく、統合的に、かつ丁寧に取り組んでいくことがとても重要です。

 

そして、社員の内側からのモチベーションを高め、社員が自らの智恵を最大限活用し、効果的なチームワークを発揮するという状態を統合的に実現するのが「ビジョンデザイン経営」です。

 

ビジョンデザイン経営とは

 

ビジョンデザイン経営とは、先ほども述べたように、社員の内側からのモチベーションを高め維持し、かつ社員が自らの智恵を最大限に活かし、有効なチームワークを発揮する状態を生み出す経営です。

 

社員の内側からのモチベーションを高め維持するためには、社員が仕事をとおして、人間としての根源的な欲求である「やりがい」「成長」「承認」を実感できるようにする必要があります。

 

そして、社員が自らの智恵を活かし、有効なチームワークを発揮するためには、

  1. 一貫性のある目的・目標とその実現方法のわかりやすい提示
  2. 安心して踏み出せる職場環境の整備
  3. メンバーの成長と成功を適切に後押しできるリーダーの育成

の3つに統合的に、かつ丁寧に取り組んでいく必要があります。

 

それでは、上記の2つのことを同時に実現しようとする「ビジョンデザイン経営」には、どのように取り組んでいったらよいのでしょうか。

 

「ビジョンデザイン経営」を実現するためのステップは下記の4ステップです。

 

ステップ① 企業理念を言語化する

ステップ② わくわくする中期ビジョンを描き、経営戦略と組織目標を設定する

ステップ③ 安心して踏み出せる職場環境を整える

ステップ④ メンバーの成長と成功を後押しできるリーダーを育成する

 

それでは、上記のステップそれぞれの内容を見ていきましょう。

 

ステップ① 企業理念を言語化する

 

企業理念とは、自分たちは社会の中でどのような役割を果たしたいか(ミッション)、そのための会社のありたい理想の姿とはどんな姿か(ビジョン)、そしてこのミッション・ビジョンを実現するにあたって自分たちが大事にしたい重要な価値観(バリュー)は何かなどの長期的で、抽象度の高い考え方です。

 

この企業理念が、事業を展開したり、会社づくりをしたり、会社を運営したりする上でのベースのベースになります。

 

もしゆるぎない企業理念がすでにあるのであれば、新しく作る必要はありませんが、幹部や社員の皆さんが腑に落ちていない部分がある場合は、あらためて検討して、修正を加える必要があるかもしれません。

 

ステップ② ワクワクする中期ビジョンを描き、経営戦略と組織目標を設定する

 

企業理念が言語化でき、社員の皆さんの中で腑に落ちる形で理解できたら、その企業理念にもとづいてワクワクする中期ビジョンを描きます。

 

ワクワクする中期ビジョンとは、3~10年後に自分たちの会社は、こんな価値を世の中に提供できる、こんな会社になりたいという数年後を見据えた、目指す理想の姿です。

 

そしてポイントは、社員の皆さんが自分もその実現を目指したいと思う、わくわくするような理想の姿を描くということです。

 

わくわくする中期ビジョンを描くことは、「ビジョンデザイン経営」を実現する上で、そしてワクワクするような優れた価値を提供し続ける上での最重要ポイントです。

 

わくわくする中期ビジョンが描けたら、そのビジョンを実現するための方策である経営戦略を立案します。

 

中期ビジョンは、企業理念よりも短期的で、抽象度が低く、具体性を持たせることになるので、達成時期を意識しながら抽象的すぎず、具体的すぎない(細かすぎない)中期ビジョンが描けると、経営戦略の立案はとてもスムーズにできます。

 

そして、経営戦略がある程度の具体性を持って設定できていれば、その下の1年以下の組織目標(全社目標、部門目標、チーム目標など)もスムーズに設定することができます。

 

このワクワクする中期ビジョン、経営戦略、組織目標が一貫性のある形で設定できると、社員は自分はどのように会社に貢献したらよいかの道筋が見えるようになり、「やりがい」にもつながりますし、自律的に判断し、行動するための指針を得ることができます。

 

ステップ③ 安心して踏み出すことができる職場環境を整備する

 

人はいくら会社の方針に共感し、それに積極的に貢献したいと思っていたとしても、安心できる職場環境がないと、前に踏み出し、自分の判断で行動することができません。

 

特に、職場が、自分の意見を聞いて、受け入れてくれると思える心理的安全性の高い組織になることが重要です。

 

信頼できる仲間と一緒に働ける、安心して発言したりふるまったりできる職場と言っていいと思います。

 

もちろん、身体的な安全性や経済的な安全性も同時に必要です。

 

人は不安なことがあると、積極的に自分の判断で行動しようとはしなくなります。

 

ですから、社員に自分の智恵を最大限に活かしながら、有効なチームワークを発揮してもらおうと思ったら、安心して前に踏み出すことができる職場環境の整備は必須です。

 

ステップ④ メンバーの成長と成功を後押しすることができるリーダーの育成

 

社員が成長し、成功するためには、社員にできるだけ仕事を任せ、自分で考えて、行動して、その結果を次に活かすという経験を積んでいくことが必要です。

 

人間が成長し、成功するためには、仕事をとおしてよい試行錯誤を積み重ねる必要があるということですね。

 

そのためには、メンバーにそうした試行錯誤を適切にさせてあげられるリーダーを養成する必要があります。

 

リーダーは、メンバーが自律的に良い試行錯誤ができるように、適切な仕事をアサインし、その仕事の目的とゴールをメンバーに考えさせ、合意し、必要な情報を提供して、メンバーが主体的に考え、行動できるような状況をたくさん作ってあげる必要があります。

 

そして、そうしたメンバーが遂行した仕事の経過を一緒に振り返り、そこからの学びを次の仕事に活かすように促すことも必要になってきます。

 

これができればスーパーなリーダーですが、もちろん完璧にできなくてもよいので、メンバーの成長と成功を後押しするためには上記のことが重要で、極力それを実現しようとリーダーが努力できる状態になることがとても重要です。

 

以上、「ビジョンデザイン経営」を実現する4つのステップを見てきましたが、このビジョンデザイン経営がある程度実現できれば、社員は「やりがい」「成長」「承認」を実感して内側からのモチベーションを高め、会社方針が明確で、安心して踏み出せる職場があり、リーダーが仕事を任せ、成長を後押ししてくれるので、自分たちの智恵を最大限に活かし、効果的なチームワークを発揮するという、理想的な組織に近づいていくことができます。

 

「ビジョンデザイン経営」に取り組む手順

 

ビジョンデザイン経営の4つのステップをおさらいすると下記のとおりです。

 

ステップ① 企業理念を言語化する

ステップ② ワクワクする中期ビジョンを描き、経営戦略と組織目標を設定する

ステップ③ 安心して踏み出せる職場環境を整える

ステップ④ メンバーの成長と成功を後押しできるリーダーを育成する

 

何かとても大変そうな感じがするかもしれませんが、やはり社員が共通の目的に向かって、自律的に働き、優れた価値を提供し続けられるようになるためには最低限欠くことのできない内容です。

 

それぞれのステップは、大まかに言うと6か月ずつぐらいかかるのが標準的な進み方なので、約2年ぐらいかけて、全社で一貫性のある目的・目標が明確になり、社員が前に踏み出すことができる安心できる職場が生まれ、リーダーがメンバーの成長と成功を後押しできるようになるという非常に質の高い組織を整備することができます。

 

逆に言えば、2年ぐらいでこうした質の高い組織の基盤を整備できるとしたら、非常に効果的な取り組みだと言えるので、すぐにでも取り組むことをお勧めします。

 

幹部の方を中心にプロジェクトチームをつくって、2週間に1回程度のミーティングでの検討を重ね、一歩一歩丁寧に進めていくので、決して無理のないスケジュールだと思います。

 

まとめ

 

ビジョンデザイン経営は、シンプルに言えば、社員のモチベーション、智恵、チームワークを最大限に引き出し、お客様や世の中から求められる独自で、質の高い優れた価値を提供し続ける、質の高い組織を生み出す経営です。

 

ビジョンデザイン経営が実現すると、社員は「やりがい」「成長」「承認」を実感できるので、内側からのモチベーションが高まり、自分たちが目指すべき方向が明確にわかり、安心でき、成長を後押ししてくれるので、自らの智恵を最大限に活かし、効果的なチームワークを発揮できるようになります。

 

ビジョンデザイン経営を実現するには、4つのステップがあり、全体で1年半~2年ぐらいかかりますが、社員が共通の目的に向かって、自律的に働き、価値を提供し続ける非常に質の高い組織を生み出すことができるので、少し時間と手間はかかりますが、取り組む価値は十分にあると思います。

 

社員の満足度の高い組織でもありますので、人材の採用や定着への良い効果も生まれます。

 

もし自分の会社を、永続し、成長・発展し続ける「本当にいい会社」にしたいと考えているのであれば、ぜひ一度「ビジョンデザイン経営」の導入を検討してみていただければと思います。

 

期待を上回る効果があると思います。

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