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人材が集まる「本当に魅力的な会社」をつくりましょう!

 
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今企業にとっての最大のテーマは、一緒に働いてくれる人材をいかに集められるかどうかです。

 

日本の労働人口は今後急激に減少していきます。したがって、事業を展開していく上では、どの企業も程度の差はありますが、常に人材不足の状態にさらされます。ある意味人材の取り合いになる訳です。

 

人材を獲得できないで社員が減っていくような企業は事業が継続できず、最悪の場合は廃業せざるを得なくなっていくでしょう。というよりもその状況はすでに始まっています。

 

帝国データバンクの調査では、2013年度に45件だった人手不足倒産が、2018年度(2018年4月~2019年3月)169件になり、前年度比48.2%となっています。

 

もし、今後も自社の事業を続けていきたいと思うなら、人材獲得競争の中で人材に、特にできれば若くて優秀な人材に選んでもらえるような企業になる必要があります。

 

つまり、人材が集まる「本当に魅力的な会社」になることが、これからは必須なのです。

 

人材が集まる「本当に魅力的な会社」とは?

 

人材が集まる「本当に魅力的な会社」というのは、これからは上場している会社でも、有名な会社でも、制度や福利厚生が充実している会社でもないでしょう。

 

人材が集まる「本当に魅力的な会社」というのは、一言でいえば「ワクワクとやりがいを実感できる会社」です。

 

共通のワクワクする価値ある目的を達成することに向かって、社員全員がそれぞれの役割において最大限の力を発揮し、協力し合える組織です。

 

社員は、その会社が目指す価値ある目的の達成につながる目の前の仕事に意味を感じ、やりがいを感じられる会社です。

 

別の言い方をすると、「本当に魅力的な会社」とは、社員が自分の知人に対して「うちの会社いいから一緒に働こうよ!」と心から言えるような「本質的に良い会社」のことです。

 

これは結構難易度高いですよね。人に何かを勧める時は自分が使ってみて、あるいは体験してみて本当に良いと思わないと、よく知っている人にはなかなか勧められるものではありません。

 

でも「本当に魅力的な会社」を目指すことに、それこそワクワク感を感じませんか?

 

「そんな会社になったいいよな」と思いませんか?

 

人材が集まる「本当に魅力的な会社」をつくるためのポイントは下記の3点です。

 

①理念経営

②社内の「関係(チームワークや信頼関係)の質」を高める

③競合に負けない最低限の処遇を整備する

 

理念やチームワーク・信頼関係などと聞くと、きれいごとに聞こえるかもしれませんが、多くの会社の組織課題解決のお手伝いをさせていただく中で、私は「きれいごとを本気で実現しようとしている会社」が、社内に一体感があり、社員に仕事に対する意欲と責任感があり、生産性が高く、ワークライフバランスが実現しているなどの好循環が生まれていて、外から見ても魅力的な会社になっていると確信しています。

 

それでは、「本当に魅力的な会社」をつくる上での第一歩、「理念経営」から見ていきましょう。

 

理念経営

 

理念経営とは、企業理念(ミッション)、目指す姿(ビジョン)、行動指針(バリュー)などの企業の存在理由またはあり方を言語化し、それを軸に会社の経営に統一性や社員の一体感を生み出す経営です。

 

社員が明るく、積極的で、仕事に対する責任感があり、結果として社員数も徐々に増えて、業績も持続的に拡大していくような好循環が生まれている企業は、ほぼ例外なく理念経営を何らかの形で実現しています。

 

それでは、理念特に企業のあり方の根源的な考え方である企業理念は、誰がつくったらいいのでしょうか?

 

もちろん、経営のトップ=社長以外にありません。

 

社員さんの意見を聞きながら言語化していくということはあるかもしれませんが、社長が最終的に納得し、腑に落ちる企業理念をつくるためには、やはり社長が主体になってつくるしかありません。

 

「企業理念」を言語化し、それを中心に経営することが社長の最大かつ唯一の役割と言ってもいいぐらいです。

 

別の記事でもお話しましたが、タクシーに乗り、そのタクシーに思う方向に進んで欲しいと思ったら、まずドライバーに目的地を告げなければなりません。ですから、会社を経営しようと思ったら、「企業理念」を掲げることが、社長がやらなければならない第一の仕事です。

 

そして、社長自身がつくった「企業理念」の実現に、社長自らが真剣に取り組まない限り、理念経営は実現しません。つくった本人が大事にしない、追求しないものを他の誰が実現しようと思うでしょうか?

 

理念経営が実現すれば、それが会社に良い循環が生まれる起点になりますが、社長は「企業理念」の実現に向けて常に本気で向き合う必要がありますし、その覚悟が必要です。

 

「企業理念」はある意味社長自身を縛ることになるかもしれませんが、自分が決めた「理念」に向かっていくことは決して窮屈ではないはずです。

 

会社は環境や勢いでうまく経営できることがあるかもしれませんが、ある時期を過ぎ、良い循環が持続的に生まれる組織をつくっていこうとしたら、「企業理念」それも社員がワクワクするような「企業理念」が必要です。

 

ある企業は「すべては笑顔のために」という企業理念を掲げています。ワクワクしませんか?

 

ワクワクするだけではなく、社員の発想をも刺激するすばらしい「企業理念」ですよね。

 

社長さんのGood Job!です。

 

社内の「関係の質」を高めることが、会社と社員の進化につながる

 

「企業理念」を言語化し、掲げることは非常に大事ですが、それだけでは「企業理念」を実現するための動きにはつながりません。

 

「企業理念」を実現するために、社内の人と人との「関係の質」を高め、磨き上げていく必要があります。

 

この「関係の質」を磨き上げていくことが、社員と組織の成長を促し、社内にプラスの相乗効果を生み、持続的に業績が拡大していくことにつながっていきます。

 

社内の人と人との「関係の質」を高めるとは簡単に言うと、「チームワーク」とそれを支える「信頼関係」を高めていくことです。

 

「チームワーク」とは、共通の目的を達成するために、社員一人ひとりが自分の役割において最大限の力を発揮し、協力し合って、プラスの相乗効果を生み出していくことです。

 

そして、社員が最大限の力を発揮したり、協力し合ったりするためには、安心して発言したり、行動したりできる「心理的安全性」=「信頼関係」が必要です。

 

チームワークを生み出す

 

「チームワーク」を生み出すためには、まず目的が必要です。目的無くして、強いチームワークは生まれません。

 

最終的には「企業理念」の実現に結びつく、「こうゆうことを実現したい」という価値ある、ワクワクする目的です。

 

いわゆる数値の達成を目指す目標ではなく、皆がワクワクしながら目指したくなる、定性的な目的です。

 

ラグビーワールドカップ日本代表は「憧れの存在になるために勝つ」という目的を掲げていたそうです。

 

それに対して、「ベスト8になる」というのは、「憧れの存在になるために勝つ」という目的を達成するための具体的な目標だったと言えるでしょう。

 

皆さん、ドラッカーが引用したとされる、「旅人と3人のレンガ職人の話」を耳にされたことがあるのではないかと思います。

 

昔ある旅人が、レンガを積んでいる三人の職人にこう尋ねました。

「ここでいったい、何をしているんですか?」

 

1人目のレンガ積み職人 「レンガを積んでいるんだよ」

2人目のレンガ積み職人 「生活のために働いているんだ」

3人目のレンガ積み職人 「後世に残る大聖堂を造っているんだ!」

 

3人ともやっていることは全く同じですが、誰が一番良い仕事をする可能性が高いでしょうか?

 

もうおわかりですよね。

 

人は大きな目的を理解し共感することで、働く意欲も生産性や創造性も上がるということです。

 

そして、大きな目的のために一緒に働いている仲間がどのように働いているかを詳しく知ることができれば、必要に応じて協力し合うことができるのです。

 

チームワークを生み出すためには、①最終的に「企業理念」につながる価値ある、ワクワクする共通の目的と②お互いの仕事ぶりをよく知っているということが不可欠なのです。

 

この状態を実現するために今最も適した仕組みは、OKRではないかと思います。

 

全社、部門、チーム、個人の各レベルでの目的の方向性を合わせ、全社員でワクワクする共通の目的達成のために常にコミュニケーションを取りながら、協力し合う仕組みです。

 

難易度の高い共通の目的に挑戦し、働く意味を実感しながら、チームワークと信頼関係を生み出し、会社が1つのチームになる試みです。

 

OKRについては、また別の機会で詳しくお話ししましょう。

 

信頼関係を高める

 

チームワークを生み出すためには、それを支える信頼関係が必要です。

 

職場が信頼関係のある安心・安全な場でないと、社員は力を十分に発揮したり、協力し合ったりすることができません。

 

常に業績を上げることや雇用に不安を抱えている職場では、社員は皆自分のことしか考えられず、協力する余裕はありませんし、委縮して本来の力を発揮することができません。

 

当然そうゆう状態だと組織のパフォーマンスは上がっていきません。

 

それではどうしたら、組織の中の信頼関係を高めていくことができるのでしょうか?

 

まず信頼関係の土台と言えるものをつくるためには、相手の存在を認めることです。当たり前かもしれませんが、相手の存在をまず認めない限り信頼関係をつくることはできません。

 

ではどうしたら、相手の存在を認めているということを無意識のうちに伝えることができるかというと、その最も簡単な方法は、「あいさつ」です。

 

相手の存在を認めているから「あいさつ」をするわけであって、「あいさつ」をするだけで、無意識のうちに相手の存在を認めているというメッセージを送っていることになります。

 

したがって、相手との信頼関係を強めていきたいと思ったら、「あいさつ」を必ずやり続ける必要があります。相手に向かって、いつも、はっきりと、あたたかい「あいさつ」を投げかけることが大切です。

 

その「あいさつ」と同じように、相手の存在を認める行為としては、あたたかい声かけがあります。

 

あたたかい、思いやりのある言葉をかけるという行為は、相手に対して生きる活力を与えるぐらいの影響力があります。

 

あたたかい、思いやりのある声がけは、相手に対する「心に与える栄養」とも言えます。

 

支援企業さんでは、社員の皆さんに、自分が同僚に言いたい言葉・言われたい言葉と言いたくない言葉・言われたくない言葉を考えてもらい、ハートの図の中に言いたい言葉・言われたい言葉を記入し、言いたくない言葉・言われたくない言葉をハートの外に記入し、1日を通してできるだけハートの内側にいてもらうようなワークをしてもらったりしています。

 

さらに、信頼関係を高めていく上で重要なことは、ラポールの原理の実践です。

 

ラポールの原理とは

①人は、自分のことを理解しようとする人(ありのままに知ろうとする人)を信頼する

②人は、自分が大切にしているものを大切に(尊重)してくれる人を信頼する。

③人は、共通部分を認識したり、感じ取ることで信頼度を高める

という3つの原理です。

 

②と③は感覚的にもよく理解できると思いますが、①については、相手に100%意識を向けて(自分の意図を横において)、ありのままに理解しようとすることです。

 

いわゆる「傾聴」といわれる向き合い方で、相手に純粋な関心を向け続けることです。

 

ぜひ経営者や上司の方は、社員やメンバーに対してこうした向き合い方を心がけていただくと、信頼関係が高まるとともに、社員の皆さんの個性や長所が見えてくるかもしれません。

 

ぜひ心がけてください。

 

競合に負けない最低限の処遇を整備する

 

理念経営がある程度軌道に乗り、チームワークや信頼関係が醸成されてきたら、社員の処遇を整えていきましょう。

 

せっかく社員が目的に向かって、協力し合いながら成果を出しているのに、それに対して会社がちゃんと報いないのは片手落ちです。

 

評価制度と賃金制度はシンプルで構わないので、ちゃんとしたものを整備したいですね。

 

評価制度を導入する目的は主に3つあります。

 

①会社の目的(企業理念や企業ビジョンなど)の実現を促進する

②自律的に考え、行動し、協力しながら価値を提供できる人材を育成する

③役割の重さや業績への貢献度に応じた処遇を実現する

 

評価制度はただ社員の処遇を決めるためのものではありません。

 

理念経営を援護射撃したり、自律的な人材を育てたり、上司と部下のコミュニケーションを促進したりして社内の関係性をたかめるための仕組みの1つでもあります。

 

そうした評価制度の評価結果にしたがって、それぞれの社員のパフォーマンスに応じた賃金を支払ってあげないといけません。

 

いくら仕事が充実していたとしても、競合の会社よりも明らかに劣る給与では、将来が不安ですし、会社を信頼することができません。

 

そういうことがないように、賃金については世間水準や同業他社の給与水準をよく調べて、それを下回らないようにする必要がありますし、原資が潤沢にあるのであれば、加算してあげてください。

 

そうすれば、さらに魅力的な会社になり、人材が集まってくるでしょう。

 

まとめ

 

私たちは、自らの組織を人材が集まる「本当に魅力的な会社」にする必要があります。

 

そもそも社会の中で存在していこうと思ったら、人手不足であるとかないとかは関係なく、人材が喜んで集まるような「本当に魅力的な会社」を目指すべきです。

 

「本当に魅力的な会社」とは、「ワクワクとやりがいを実感できる会社」とお伝えしました。

 

経営者と社員の「ワクワクとやりがい」の源泉は価値ある「目的」です。企業でいえば最終的には「企業理念」になります。

 

ですから、「本当に魅力的な会社」つくるためのポイントは下記の3つです。

 

①理念経営

②社内の「関係(チームワークや信頼関係)の質」を高める

③競合に負けない最低限の処遇を整備する

 

すべての企業が「本当に魅力的な会社」を目指したら、世の中はどのようになるでしょう。まさに「ワクワク」します。

 

人手不足は、素晴らしいチャンスを秘めているかもしれませんね。

 

★株式会社シンフォニック・バリューズは主に企業の組織や人材に関わる課題解決の
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